老眼のメカニズムと矯正方法
老眼とは、加齢によって水晶体の弾力が失われることにより、近くのものが見えづらくなる症状のことです。
正式名称を『老視』と言い、一般的に40~60代頃に発覚するケースが多くなっています。
老眼になると30cmあたりが見えづらくなり、本や新聞などを読む時に支障を来すようになります。
近くのものが見えづらくなるという点では遠視と同じですが、遠視は眼軸が短すぎるために屈折異常が起こり、網膜の奥で焦点を結んでしまう症状なので、根本的な原因が異なります。
ちなみに、症状が同じでも、遠視の人が老眼になりやすいというわけではありません。
ただ、近視の人に比べて老眼の進み具合が若干早い傾向にあるため、もともと遠視の方は注意が必要です。
老眼の矯正には主に老眼鏡が使用されますが、他の方法として『伝導性角膜形成術』という外科手術が行われる場合もあります。
伝導性角膜形成術とは、2004年に米国FDA(食品医薬品局)に認可された眼科手術で、角膜の外側に高周波エネルギーを当てることにより、角膜コラーゲン組織の一部を収縮させることができます。
変形するのは角膜の外側だけなので、遠方を見る力はそのままに、近距離を見る視機能を回復させることが可能となっています。
また、近年は『モノビジョンレーシック』や『アキュフォーカス』など、老眼向けのレーシックも普及してきており、老眼の視力回復方法のひとつとして注目されています。