コンタクトレンズの恐怖
コンタクトレンズは、角膜に直接接触させて使用するレンズ状の眼科矯正器具です。
日本では1951年に名古屋大学の水谷豊博士がはじめて臨床試験に成功し、同年に日本初の角膜コンタクトレンズが実用化されました。
コンタクトレンズはメガネに比べて装着した人間の外観をほとんど変えないことから、発売以来多くの人気を集め、現在は全国でおよそ1500万人が愛用していると言われています。
ただ、コンタクトレンズはその性質上、眼科障害を起こしやすい傾向にあり、統計では10人に1人が何らかのトラブルを抱えていると報告されています。
コンタクトレンズのデメリット
コンタクトレンズは角膜とレンズとの差がほとんどないことから、メガネに比べて像のゆがみや大きさの変化がなく、装着による視力低下のリスクが少ないところが特徴となっています。
しかし、その半面、レンズを角膜に直接装着することから、眼にトラブルが起こりやすいところが大きなデメリットとなっています。
たとえば、コンタクトレンズは使用後に洗浄・消毒するのが基本ですが、洗浄が不十分な場合、レンズから雑菌や細菌、汚れなどが移る可能性があります。
また、コンタクトレンズは素手で直接レンズを装着するため、使用方法を誤ると爪やレンズによって角膜が傷つき、眼病の原因になる場合があります。
コンタクトレンズによる病気
コンタクトレンズによって傷がついたりすると、さまざまな眼障害が発生します。
最も多いトラブルは、角膜表面に浅い傷ができる『点状混濁』で、トラブル全体のおよそ5割を占めています。
さらに角膜の傷が進行すると、細胞が脱落し、『角膜上皮びらん』が起こってしまいます。これは全体の12%程度にあたります。
上皮びらんが進行すると、細菌やカビが繁殖しやすくなり、『角膜浸潤』や『角膜潰瘍』などの感染症を引きおこす場合があります。
また、コンタクトレンズの装着によって角膜への酸素供給が阻害されると、酸素を求めて毛細血管が角膜に侵入し、『角膜血管侵入障害』が起こる可能性があります。
上記以外にも、さまざまな眼病にかかるおそれがあるため、コンタクトレンズを使用する場合は、用法をきちんと守り、正しく使うことが重要となります。