遠視のメカニズムと種類
遠視とは、近くのものが見えにくくなる屈折異常の一種です。
近視とは正反対の症状ですが、その原因は同じく光の屈折異常にあり、網膜よりも奥で焦点が結ばれることにより、ピントがずれてしまいます。
遠くが見えにくい近視に比べ、視力検査などで異常に気づきにくいことから、自覚症状のない方も見受けられますが、特徴として眼精疲労を起こしやすい傾向にあります。
ちなみに、人間は生まれたばかりの頃は一般的に遠視であり、新生児の頃は数十センチ先がぼんやり見える程度の視力しかありません。
しかし、成長にともなって徐々に近視化すると、遠視から正視になるか、または正視を通り越して近視になっていきます。
そのため、成長期に遠視になることはまれですが、60歳以上になると逆に正視だった眼が遠視になりやすくなります。
遠視の種類は近視同様、軸性と屈折性の2種類にわかれており、幼少期の遠視は軸性。成人してからの遠視は屈折性が大半を占めています。
どちらも遠くが見えて近くが見えないという症状に変わりありませんが、屈折性遠視の場合、強度になると遠くも近くもよく見えなくなるので注意が必要です。
以前は遠視の補正にはメガネやコンタクトレンズの使用が一般的でしたが、近年は医療技術の進歩により、レーシックによる視力回復も可能となっています。