近視のメカニズムと種類
近視とは、遠方のものがブレて見えなくなる屈折異常のひとつです。
人間の眼は、外から入ってきた光を角膜と水晶体に集めて屈折させるはたらきを持っています。
屈折した光が眼の奥にある網膜で焦点を結ぶと、ピントが合って物を見ることができます。
しかし、屈折力が強すぎて網膜の手前で焦点を結んでしまうと、ピントがうまく調整できなくなってしまいます。
そのため、遠方のものを見ようとするとピントが合わず、物がぶれて見えるようになります。
近視は症状や原因によって大きく4種類にわけることができます。
まず1つ目は『屈折性近視』と呼ばれるもので、角膜および水晶体の曲率が強すぎて網膜より前方に焦点を結んでしまう症状です。
一般的に近視と呼ばれる症状のほとんどは屈折性近視に分類されます。
2つ目は眼球が通常より前後に長くなる『軸性近視』です。
水晶体と網膜との距離が長すぎるため、網膜よりも前方に焦点を結んでしまい、遠方をはっきり見ることができなくなります。
遺伝性の近視の大半は軸性近視に分類されており、通常より網膜が薄い状態となっていることから、網膜剥離を起こすリスクが高い傾向にあります。
3つ目は仮性近視または調節緊張性近視とも呼ばれる『偽近視』です。
テレビやパソコンなどで眼を酷使した時に症状が強くなり、眼を休めると近視の度合いが弱くなるところが特徴です。
名前の通り、一般的な近視とは別扱いとなっており、視力に問題のない人を含める万人が偽近視になる可能性を持っています。
そして最後が『核性近視』です。老人性白内障や核性白内障にともなう近視症状で、場合によっては不同視を引きおこすこともあります。
偽近視を除く一般的な近視は、軽度なものであれば視力回復を見込むことができますが、そのまま放置しているとどんどん悪化する傾向にあります。
よって、遠くのものが見えにくくなったら、なるべく早めに眼科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。